オレンジジュース~俺と一人の生徒~
俺は、全部の部屋の見回りを終えた後、もう一度一人で廊下を歩いた。
さっき、直が告白されていた階段付近で立ち止まり、山崎と直の表情を思い出していた。
なぁ、直。
お前はいつもこんな気持ちだったんだな。
俺はわかっているようでわかってはいなかった。
お前の不安や、心配を……
俺は初めて、自分の彼女が男に告白される現場を見て、心の奥から込み上げるモヤモヤとした感情と戦っていた。
直は、何度こんな想いをしたんだろう。
俺を好きだと言う生徒を数人知っているよって直は言ってたな。
それを知った時の直の気持ちを考えると、苦しいよ。
お前も、言いたかっただろう。
―――私の彼氏なんだよ…ってな。
私の彼氏に触らないで。
私の先生に告白なんてしないで。
お前も今の俺のように、どうしようもないほど苦しかったんだよな…