オレンジジュース~俺と一人の生徒~



午後の講習が始まると、俺達教師はまた暇になる。



俺のかわいい生徒が・・・遠く感じる。



リフトから見つけることができた直。



俺が必死で見つめて、『直、ここだよ!!』ってラブラブ光線送ってるのに、あいつは気付かない。



ちょっとしょんぼりした顔で、コーチにスキーを教わっていた。



相当転んだみたいだから、凹んでんのかぁ?


大丈夫かぁ、直。



いつか、俺が教えてやるから、今は下手くそでいい。


俺が、直に教えてやる。



スキーに一番大事なのは、運動神経じゃない。



『気持ち』なんだ。




誰だって怖い。


うまくなるまでは、誰もが、恐怖を味わう。




足に長い板を付けるんだもんな。



手が自由に使えないし、雪が凍ってたりしたら、板がうまく滑ってくれなくて、思わぬ方向を向いてしまったりする。



崖がすぐそばにあったり、急斜面だったりすると、勇気が出なくて、尻込みしてしまうだろう。



みんな同じだ。



その時に必要なのは、技術でも運動神経でもない。




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