黒姫

だって別に、私が悪いわけじゃない。

悪いのは全面的に黒瀬のはずだ。
そりゃあ、1割くらいは私も悪かったかもしれないけど、でも。


やっぱり、私には関係ない。



「あんまり心配しなくてもいいんじゃない? みんなだって手加減は知ってるんだから」
「で、でも! 私も悪かったのに黒瀬だけなんて……」
「いいんだよ」



別にいいんだ、鈴羅はそんなこと気にしなくて。

わかってる、多少は私も悪い。
でも、悪いのは黒瀬なんだ。
自業自得のはずなんだ。


ああもう、面倒臭い。
こんな風に私の思考を掻き乱す黒瀬のこと、私は本格的に嫌いになりそうだ。

< 102 / 236 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop