二手合わせ



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(side:恵梨)


帰りたい。帰りたい。
受け入れたくない。

そんなことを考えていたからなんだろうか。


漂っていた意識が浮上する。

埃臭い。
薄っぺらい敷き布団で寝ていたから身体の節々が痛む。


「っん……ん?」


目を開けた…つもりだった。


視界にはなにもうつらない。

真っ暗。
なにも、見えなかった。


まだ夜?

でも手のひらだけ暖かい。
これは多分、陽の光。

じゃあ朝?
なんで何も見えないんだろう。


とりあえず立ち上がって、障子を開けようと思った…が、


「いっ…!」


何かで躓いた。
座り込んで、それが何かを、ペタペタと触って確認する。


「な、んだ。鞄かー」


正体が分かったところで、いざ障子を開けようと再び立ち上がる。


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