夜空にランプ
「ちーちゃん、あと一つ、お願いいい?彼氏と待ち合わせしてて、遅刻しちゃって」
「え?何?何?その設定」
「急いで待ち合わせ場所まで走っていくっていう…感じで」
「感じって」
「はい、お願いします」
芽衣子は思いつきのシナリオを言い終えると、さっと手を前に出し促す。
まるで本当のカメラマンのように。
こんなことは初めてではなかった。
毎回、お互いに色んな設定を提案するのも楽しみの一つだったから。
その度モデルの方は困るけれど。
彼氏なんていないんだから、どんなもんかわからない。