たぶん恋、きっと愛








凱司に拾われて一晩。
ただ、泊めてもらった。


色々な話をしたのは鷹野との方が断然多く、凱司は始終不機嫌な顔で、それを眺めていた。



なんにも、されなかった。

‘キスが宿代’


それはそのままの意味だったのか、凱司も鷹野も、ほんとうに何も要求してこなかった。

何もしなくて良いのか尋ねた雅に、凱司は馬鹿にしたような目で、せせら笑った。



お前の体になんか、興味ねぇ。




興味がない、と言われたのにも関わらず。


雅は、どことなく安心して。
ほっ、と。

息をついた。




 
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