たぶん恋、きっと愛
翌日の雅は、日曜日にも関わらず、制服を着込んでいた。
仕事に出ようとする鷹野に、いつものように額にキスを落とされて、いつになく照れたような顔をしたのは、昨夜のせい。
ライブの話から、鷹野のギターリフの話に変わり、合わせたコーラスに話が及んだ昨夜。
不意に凱司が、鷹野の歌はエロいからな、と口走ったのだ。
「うた?」
当然、雅は食い付いた。
食い付いて、離れなかった。
ねだりにねだって、恥ずかしがる鷹野にギターを持たせると、きらきらと目を輝かせて、膝を抱えて。
仕方なく音も声も、控え目に歌いだした鷹野が、思った以上にセクシーで。
雅は顔を真っ赤に紅潮させて、何故か凱司を責め立てた。
何故にあんなに色っぽいのだ、と。
その声が、いつものように、好きだよ雅ちゃん、と囁く。
囁いて、額にキスを落とす。
「雅ちゃん顔赤い」
くすくすと笑う鷹野を、朝になって尚、まともに見ることが出来なかった。