たぶん恋、きっと愛


佑二は、雅を好きだろうか?



鷹野はともかくとしても、まさか本気ではないだろう。

長い前髪で表情が解らない分、彼がどこを見ているのか、わかりにくい。

そっぽを向いていそうでもあるし、花を見ているようでもあり、雅の頬か鷹野の髪かに映る、仄明るい影を見ているようでもある。



雅は、どこを見るのだろう。


ゆっくりと紙を広げながら、雅に視線を戻せば。

ちらちらと揺れる影に浮かび上がるようなその目は、いつの間にか昌也を覗き込むように見ていた。




「お仕事、ですか?」


昌也の広げた紙に視線をやった雅は、それがプリントアウトされた何かの一覧表の様に見えたのか、綺麗な照明を、消した。


部屋の明かりが、白々しくも煌々と、戻る。



「あ、ごめん、仕事じゃないけど…仕事、かな。忘れないように出しただけだから」


「それ、雅ちゃんの照合表?」



甘い目付きをすっきりと消した鷹野が、広げた紙を覗き込んだ。
 



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