たぶん恋、きっと愛
「…いいんだ、それで」
「……え?」
ただ天井を見つめ、目から辛そうな色を消した鷹野は、ゆっくり起き上がった。
妖艶とも見える、暗く輝く黒い目に、真っ直ぐ見据えられた昌也は口をつぐんだ。
「いいんだよ昌也。俺に呑まれて、俺を好きだと…思い込めばいい」
俺は絶対に、雅ちゃんを傷付けないし、飽きる事もない。
「俺を愛してると、錯覚していてくれれば、それでいいんだ」
まだ、ようやく。
恋のような感情を認めてくれただけだ。
それも、よくわからない。
あの子は、自分自身につく嘘が多いから。
「昌也。俺は、呑み込むよ」
どれだけ時間がかかっても。
どれだけ脇道に逸れても。
だから。
「黙ってて」
睨みつけては、いない。
ただ、唇に笑みを刻んだまま一瞬、渇えたように喉を鳴らした、だけ。
それでも昌也は息を止め、間近にいた佑二も、その妖艶な横顔を、凝視した。