たぶん恋、きっと愛


「あ…やっぱり少し涼しいですね」


そっと、カーテンの陰に隠れるように身を寄せた2人は、少し開いた窓から流れ込む外気に、視線を合わせた。


鷹野の右手には、雅が一口飲んだ、水の入ったコップ。

ポケットには、煙草とライター。



「ちょっと月明かりが…明るすぎるかなぁ…」

元々星が少ないのに、これじゃちっとも見えやしないね、と空を見上げる鷹野は。

繋いだままの雅の指を、躊躇いなく口に、含む。


ぴく、と一瞬引きかけた手を、柔らかく強引に口許に留め、見下ろすように、雅の戸惑った目を見つめた。



「……大丈夫。怖くないから」


甘く、低く、密やかに。

月明かりの真っ直ぐに射し込むベランダにと、そのまま誘う鷹野の黒い目に憑かれたように。


雅は、いつにも増して大人しく、その唇を僅かに、開いた。
 


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