たぶん恋、きっと愛
時間は、確実に経っていた。
雅は、とあるソファーの上で、膝を抱えていた。
外の様子は、見えない。
窓はあるし、外が眩しいくらいの陽に輝いているのも解りはするが、ブラインドを開けてまで、外を見ようとは思わなかった。
甘い、香り。
コーヒーの強い香りに混じる、スパイスのような、知らない香り。
つい今しがたまで居た、知らない人間は、雅にちらりと視線を向けると、そのまま黙って居なくなった。
静かな衣擦れの音と、オルゴールの音は、気分を落ち着かせてくれるようではあるが、雅の目から、ポロポロと涙がこぼれるのを止めはしなかった。
「アーモンドはお好きですか?」
柔らかい声に、雅は手にしたクローバー柄のタオルで涙を拭くと、申し訳なさげに目を上げた。