たぶん恋、きっと愛
どうしよう。
こんな昼間から、制服で歩き回ったら、目立つ。
補導員がいるかいないか解らないが、間違いなく見つかったら面倒な事になりそうだ。
具合が悪いので、早退するところです。
これを使うのに、鞄ひとつ持っていないのは不自然かも知れない。
雅は、家とは逆進行の電車に乗り込んでいた。
どこに行ったら見つからないのか、解らなかった。
心なしか、乗客に見られているような気がして、雅は俯いたまま、ひどく心細い思いに、じっと身じろぎひとつ、しない。
「…鷹野さん」
同じように、呟いてみる。
黒い髪の長い、綺麗な、ひと。
黒目がちな目は、いつもどこかおどけていて、それでもたまに自分を見る、深みまで踏み込んでくるような視線は、怖い。
怖くて、熱い。
熱くて、切ない。
切なくて、苦しい。