たぶん恋、きっと愛
アーモンドはお好きですか?
「来月から、アーモンドの香りのミルクティをメニューに加えようと思いましてね」
是非、お若いお嬢さんのご意見を頂きたいと思っていました。
「味見を、お願いしても構いませんか?」
まだまだ、閉店には早い時刻だが、ドアに、準備中のプレートを掛けた。
「……いい匂い、ですね」
カップは、白磁。
一時間、声を上げずに泣き続けた雅の肌も、白い。
目元だけが、赤く染まった雅は、ゴブラン織りのような色調の膝掛けを、抱え込むように身を縮めた。
「…あの……」
ありがとうございます、と小さく呟いた雅に、膝掛けを貸したのは、エアコンが寒いだろうと思った他に。
何かで包み込んでおかないと、壊れてしまいそうに見えたから。
「休憩…ご一緒させていただいて構いませんか?」
くるり、と手のひらを返すと、指の間から手品のように、小さな焼き菓子が現れた。
「当店オリジナルの、ダックワーズです」
泣きはらした目が、びっくりしたように開き、穏やかに笑むマスターと焼き菓子、ミルクティとを見比べ、雅はようやく淡く、微笑んだ。