たぶん恋、きっと愛
教科書の類、ノートの類。
小さな植物図鑑に、ウェディングブーケの雑誌。
さしたる手掛かりは、ないように見えた。
内ポケット部分を開ければ、白い化粧ポーチが2つと、ピンクのアナスイの財布。
鍵が、2つ。
ポーチを開けて、その中身が生理用品だとわかった途端に、取り落としそうになった友典は、そこで初めて、教室中の視線を集めていることに気が付いた。
「…宇田川友典……お前、また須藤雅を捜索中か」
呆れ半分、怒り半分と言った英語教師に、眉をしかめて見せ、友典は全ての荷物を元通りにすると、自分の肩に掛けた。
彼女の住む場所の、鍵はある。
財布も、ある。
雅は、現金を持たず、家にも入れない。
尚且つ、凱司は、いないのだ。
友典に出来ることは、父に連絡を取り、鷹野一樹に、連絡を付けることだけだった。