たぶん恋、きっと愛
立ち尽くすようにして、顔色を無くした鷹野の表情が、見たこともないほどに怒りに歪むのを目の当たりにした店長は。
どこか冷静に、その顔を凝視していた。
鷹野一樹が、こんな表情をするのを、一度たりとも見たことがない。
怒り然り、笑顔然り、だ。
いつも一定の幅の中でだけ笑顔を浮かべ、飄々と受け流し続ける鷹野を、そういう男だと思っていた。
「鷹野、凱司さん何だって?」
子機を握りしめたまま、きつく眉を寄せる鷹野に、小さく聞いた。
「……え?」
「え、じゃないよ。凱司さん、なんで店に電話掛けてきたんだ、って訊いたんだ」
びっくりしたように、店長の顔を見つめた鷹野から、立ち昇るような怒りの空気がふと、おさまった。