たぶん恋、きっと愛


そっと、向かい合うように隣に座る。

指を握る雅の手が温かくて、鷹野は顔をのぞき込むようにして、なだめるように指先で耳をなぞる。



「学校から、飛び出してきたそうですが…それはご存知だったんですか?」


白磁に、青い薔薇の模様のカップ。

注がれたミルクティーを、鷹野の前に置きながら、マスターは再び泣き出した雅を困ったように見やり、鷹野に訊いた。



「うん、つい今、聞いたとこ」

マスターが…忘れ物って言ってくれなきゃ今頃俺、駆けずり回ってた。



「お好きなんですね」

「…うん」


「ああ…そうではなくて。こちらのお嬢さんが、あなたを、ですよ」



くすり、と笑ったマスターを、思わず見つめた鷹野だが、ふと、苦笑にも似た笑みを浮かべた。



「………錯覚でも、嬉しいよ」

「そうでもないと…私は思いますよ?」



ごゆっくり、と一礼して去るマスターの背を見つめ、鷹野は言われた意味を反芻するように、再び雅に視線を、戻した。
 



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