たぶん恋、きっと愛



「……無理は……させるかも、知れない」


凱司の指先が、開いたシャツの真ん中をなぞる。

素肌に触れた感覚に、ぴくりと身を震わせた雅は、俯いたまま、首を振った。


「…っ」

押し倒すかのような凱司の動きに息を止めた雅は、きつく目を閉じ、両手を胸の前で握りしめた。

くるまれるように抱え込まれたまま、髪が、散る。



「まだ…なんもしてねぇんだから、そんな怖がんな」


頬を、手のひらで覆えば、ふと戻った血の気に、雅の唇が色付いた。




「見せ…てください、蛇」

あれが見えないと、怖い。
左腕の、薄墨色の。

あたしを連れてきてくれた、蛇を。



頬を覆う手のひらに唇を寄せ、囁くように呟いた雅を。

もう、後戻りの出来ない場所に追い込んでしまった気がして。



凱司は微かに苦しそうに眉を寄せると、ならば目を閉じるな、と。


まぶたに舌を、滑らせた。
 



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