たぶん恋、きっと愛
「鷹野さん!?」
「…ああ、大丈夫。ちょっと…まだ、足が床に付いてない感じがするだけ」
ゆっくりと呼吸を整える鷹野が、ひどく儚げに見えて、雅は慌ててグラスに水を注ぐと、鷹野のそばに、ひざを付いた。
「ありがと。でもほんと、伝染ると困るから、雅ちゃん部屋行ってて?」
にこ、と笑う顔が、すごく遠く感じて雅は、慌ててふるふると首を横に振った。
「マスターが……鷹野さんにって紅茶のプリン…作ってくれましたから…」
少し、食べませんか?
きっともう、伝染るなら伝染ってると思うし。
雅が、床についた鷹野の手を取る。
助け起こそうと言うのか、ぎゅ、と握った手を、引っ張った。
「あ~…、ごめんね、帰り、ひとりで帰って来たの?」
優しげな鷹野がゆっくり立ち上がるのを、雅はまともに見ることが出来ずに、俯いた。
掴んだ鷹野の手は思ったよりも熱くて、雅は。
凱司に委ねた事に、はっきりと後悔にも似た思いを、抱いた。