たぶん恋、きっと愛


坂崎からは、息吹の顔は良く見えなかったはずだ。


「い…息吹ちゃん、その人…」

どこで知り合ったひと?


と、恐る恐る訊く坂崎に、雅はゆっくり体を起こし、ちらりと振り返った。

息吹は押し倒されたまま、面白そうに、ペロリと唇を舐め、黙っている。



「ごめ…んなさい、ね? あなたまさか“雅”さんじゃないわよね?」



黙ったまま、嫌そうに。
あたかも“なんなの?”とばかりに首を傾げた雅は、再び息吹に顔を寄せる。

表情の乏しい顔で、バラバラに切り落とされた髪を指で掻きあげ、ためらいなく唇を重ねる雅は、息吹の手が背後からスカートをたくし上げたことに、僅かに眉を寄せた。




「…坂崎、そこで…見てる気か?」

「…あっ……ごめんなさい、違うなら…いいのよ」


慌てたような素振りも、どこか釈然としないのか、坂崎はドアを閉めつつ、尚も雅の後ろ姿を、見つめていた。
 


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