たぶん恋、きっと愛
…何やらかしてんだ俺
自分が抱え込んだままの体勢なのか、やたら密着している。
い…今は起こせねぇ…
そっと、腕を持ち上げて、ゆっくり逆を向……
「………ん…」
………っ!
ピタリと動きを止めた凱司が、諦めたように小さく息をついた。
寝起きの…男の自然現象だが…マズいよな…
明らかに雅に押し付けてしまっている“自然現象”部分だけをそっと離して。
凱司は改めて腕の中の雅を、見た。
夏休みくらいいいじゃん、と早々に鷹野が染め上げた髪は、ミルクチョコレート色。
元が茶色がかっていた為か、色はまっすぐに入り、違う色に染めました、というよりは、少し明るくなっただけに見える。
少し癖のある毛先が、唇の端に挟まっているのを、指先で摘まんで避けてやった。
普通、マジ寝するか?
繋がれたままの手。
握っているのは自分だ。
短く整えられた爪は、なにも塗られていないし、指にリングもない。
ふと首筋を見ても、アクセサリーの類いは、なかった。
ヒステリックの緑色のシャツ。
大きく開いた胸元からハッキリのぞく膨らみを、思いきり凝視してしまい、自分の浅はかさにがっかりした。
くそっ…ちっとも治まらねぇじゃねぇか。
どんだけ青いんだ俺。
“自然現象”が治まるどころか、増してしまった事に、凱司は。
自嘲気味に、笑った。