切端詩集 断片的な虚構
暴発



『暴発』


押し殺されたのはいつ
とまらなくなったのは今
管理できなかった

ごめんね
暴発して初めて気づく
世界がこんなに
淫らなものだったこと
苦しいほど気持ちいいね
でも許されないかな

ゆるされたいかな

幻想という霧のようなものを
集めて実体にして
詰め込んで忘れた
確信犯

求めたんだ
アレに似たものを
必死でつかもうとして
どうすることもできない
狂っていくのを知ってて

まだ足りないから
このまま自分を辱めて
いつまで持つかな
いつまで騙せるかな
それも知ってて閉じる

まだ足りないかな
足りないと思うんだ
欲しいんだ
欲しくなくなるまでは










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