百花繚乱
A版、B版、V版を買って
C版だけ買わなかった。
不意に彼女に
話しかけたくなった。
なんでだったか。
そんなの自分が一番知りたい。
クラスが一緒なだけで
僕が向こうに認識されてるか
すら分からなかったのに。
「C版、買わないんだね。」
当然、驚くはずだ。
だけど、彼女の反応は意外にも
静かなものだった。
「うん。
メンバーの載ってるジャケットは
なんだか嫌。歌が好きだから。」
自分の買った商品が入ってる袋を見て
それから僕の目を見て言った。