黒羽の裏切り
ただ、なにが起こったのかいまいちわからず、ぼーっと座っていると、



ワンピースのすそを引っ張られる感触がした。





「のあちゃん、とりあえず行こう。私についてきて。」





ちょっと下を見るとこっちに漆黒の瞳を向けたサラちゃんが立っている。





「・・・・え・・・・あ、うん。」






何をされるかわからないが、今のところはこの子について行くほかないのだろう。




もう石川県なんかにまできちゃってるわけだし・・






暗い店内を、目の前の少女はしっかりとした足取りで静かに歩いていく。





ちょっと周りを見ると、所々に座っている店内の客がこっちを見ている気がした。




なんか、いい予感がまったくしない。



ユゥは無責任にも結局何の説明もなしにどっかに行っちゃったし・・・・






サラちゃんはそんな不気味な店内の空気にまったく気づいていないという風に、ますます奥へと進んでいく。






本当に、どこへ連れて行かれるんだろう・・・・





悪魔になるってなんのことなんだろう・・・





そんなことを頭の中で考えていくうちに、いつのまにかサラちゃんは鍵を取り出し、あるドアを開けていた。




「ちょっと暗いから、気をつけてね。」





そのドアをほんの少しだけ開けると、こっちに手招きしてくる。
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