”オモテの愛” そして ”ウラの愛”

説教というのか叱られたというのか。

完全に姉目線だったよな。

苦笑いになる。

ただ暁子は見抜いていた。

涼自身、自分を騙していることに気付いていなかったのに。

相手が誰かの確信は、あのipadでの時らしい。

自分が、誰の身代わりなのか。

自分に、誰の年を経た後の姿を、見ているのか。

プライドが高いだけの、意気地なし、と非難された。

人間関係において、かっこつけて、綺麗ごとだけで生きようとしている、と。

わかっているけど。

でも、難しいんだよ。

もはや日本にいない暁子に向かって、涼は呟いた。
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