”オモテの愛” そして ”ウラの愛”
8.偽りの生活~その中の真実~

   *

ゆっくりと“事”は動いていた。

思惑通りに。

あるいは計画どおりに。

涼が結婚までして気が緩んだのか、西園寺の当主である、涼の祖父が倒れた。

幸い大事には至らず、退院後は屋敷で療養となったが、涼が担う仕事のウェイトが増した。

学生、当主の代理業務、そして社長業までかじることになった。

既に働いていた成介が、優秀な秘書として付いてくれたのが、せめてだった。
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