”オモテの愛” そして ”ウラの愛”
サポートについているフェリックスの妹、エリザベートはアドバイスをしてくれるが、フェリックスはダメ出し以外何も言わない。

うんざりとしたため息をつかれたのに、綺樹はとうとう切れた。

一気にファスナーを引き下ろし、脱いだドレスをフェリックスの顔に投げつける。


「だったらおまえがこれを着て歩いてみろ」


エリザベートは息を飲んだ。

乱れた前髪の間から綺樹を射るように見る。

この眼差しで見られて、たじろがない相手はいない。
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