正夢絵本


「なんだっけ?何を望んだんだっけ?」


全く思い出せないので仕方なく夢の中での行動を繰り返しながら思い出そうと考えた。







「ふぁぁぁ…」

「ちょっと、沙耶!」

「ふぇ……はっ!」


眠い頭をフルに活用して望みが何であったか思い出そうと何度も試みたが眠気のほうが僅かながら勝っているらしくまともに思い出せない。

夢通り眠い沙耶であった。




喫茶店を出た後に回った会社でも相変わらず沙耶の欠伸は止まらず、出そうになる度中原は沙耶を小突くかもしくは沙耶の足をヒールのかかとで踏んだ。


一瞬早く帰りたいと思ったのでそれが望みだったのではないかと思ったが長い話は終わる気配がないのでまた延々と欠伸を我慢し続けた。




「沙耶!駄目でしょ他社来てるとき欠伸しちゃ!うち(会社)の印象悪くなるじゃない!!」


またしても中原に叱られてしまった。

罪悪感はあるのだがこれだけはどうにもならない。


「ごめんなさい!でも夢通りだし望みがなにか解らないからどうにもならないの!」



沙耶の言ってる意味が判らない中原が本気でまずいと思ったのは言うまでもない。
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