青空バスケ―another story―

15分ぐらいして、ちょっと休憩を入れた。

海里とバスケしたの……久々かも。


近くの自販機で海里にジュースを買ってあげた。

それをゴクゴク飲みながら海里が俺の方を見た。


「ねぇ……ハル兄ちゃん」

「うん?」

「パリって知ってる?」

「パリ?知ってるよ」

「パリってどこにあるの?」


どこ………。

そうだな……。


あ……そういえば、今日は地理の教科書があったはず……。


カバンから教科書を出して、世界地図が載ってるページを海里に見せた。


「この島が日本。
それで、ここがフランス。
フランスの中にパリっていうところがあるんだよ」


海里はじっと俺が指を差したフランスを見つめていた……。


「遠いね」

「まぁ……飛行機で10時間以上かかるところだからな」

「………………」

「海里?」


海里は下を向いたまま黙ってしまった。

ギュッとジュースの缶を握っていた。

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