In the warm rain【Brack☆Jack3】
「ミサト!?」

「レイは隠れてて!」


 まだ夜明け前だ。

 暗い中を正確に狙うには、それなりの装備が必要なはずだ。

 この短時間で、装備をつけたまま狙撃手が逃げられる可能性は少ない。

 ミサトはビルに辿り着くと、外側に備え付けてある非常階段を駆け上がる。

 狙撃に適した場所は、この非常階段の最上部、もしくは屋上。

 レイは左肩を押さえながら、立ち止まってミサトが走っていったビルの方向を見つめていた。


「…今の…私を…?」


 眉をひそめ、レイは小さく呟く。

 そして、俯いた。
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