In the warm rain【Brack☆Jack3】
☆  ☆  ☆




 宿泊先のホテルに連絡があったのは、次の日のお昼近くだった。


「あと一時間もすりゃ、ここに到着するってさ」


 受話器を置いたエイジは、ミサトに言った。


「ずいぶん早いんだね」

「あァ。何だか自家用の飛行機で来るらしいぜ」


 やっぱ生きてやがったか、と、エイジはチッと舌打ちをする。

 その言葉とは裏腹に、やはりどことなく安堵の表情が見え隠れしていて、ミサトは苦笑する。

 昨日、シャンを見失ってから、少しでも情報を集めようとした。

 だがやはり、相手が相手だけに、ウー・イー ・シーに関する有力な情報は皆無に等しかった。
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