In the warm rain【Brack☆Jack3】
 ユイとレンが合流して間もなく、4人は早々と埠頭に移動していた。


「…少しは一息つけるかと思ったんだけどね…」


 ユイはそう言って、わざとらしくため息をつく。

 そんな気もないのは、他の三人も分かっていたが。

 周りから、ひしひしと殺気が伝わってくる。


「シャン…早く来て…」


 悲痛な面持ちで、ミサトはそう小さく呟いた。

 その時、物陰から、シャンが姿を見せる。


「…シャン…!」


 ミサトが慌てて駆け寄ろうとするが、エイジに止められた。

 黙ってこっちを見つめるシャンの後ろから、一人の男が姿を表したからだ。

 ――その男は。
< 146 / 221 >

この作品をシェア

pagetop