In the warm rain【Brack☆Jack3】
「何?」


 ドアの向こうの人の気配が消えたのを確認して銃から手を離し、ミサトは聞いた。


「…招待状だぜ」


 大体の察しはついたが、ミサトはエイジから手渡されたカードを受け取る。

 そこにはただ一言、港の埠頭とだけ、走り書きで書いてあった。

 ここから一番近い埠頭は、確か一ヶ所しかない。


「来て早々、あいつら休む暇もねェみてェだな」


 タバコを取り出しながら、エイジは言った。

  本当は今すぐにでも飛び出して行きたい心境だったが、エイジに“あいつらが来るまで待て”と先に釘を刺さ れた形だ。

 相手が相手だけに、エイジも行動には慎重になっている。

 それは、ミサトにも痛い程分かっていた。

 言葉少なに、二人は待つことにした。
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