In the warm rain【Brack☆Jack3】
「…なんであんたが照れんのよ」

「照れてねェよ!」

「ユイとデートって言えばいいでしょ、ちゃんとさ」

「…呼び出されたんだとよ」


 ふうん、とミサトは立ち上がって冷蔵庫から缶ビールを 取り出した。

 レンが手を差し出したから、今取ったビー ルをそっちに放り投げてやる。


「ま、久々のデートなんだから、ゆっくり楽しんでくるといいわ」

「本当にそう思うか?」


 プルトップを持ち上げながら、レンはミサトを見る。


「何よそれ?」

「…いや」


 ミサトから視線を外し、レンは窓の外を見つめてビールの缶を口に運んだ。

 ミサトも軽くため息をついて、冷蔵庫にもたれかかりながらビールを飲む。

 そして、小さく呟いた。


「最近…面倒なのよ、そういうの…」


 聞こえたのか聞こえていないのか、レンはもう一口、ビールを飲む。
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