In the warm rain【Brack☆Jack3】
 エイジは、ドアの前からこっちを見つめていた。


「エイジ…」

「…ま、俺の意志は誰が何と言おうと変わらねェ。だが今は、ミサト、オマエが待てっつったから待っただけだ」


 タバコをくゆらすエイジの瞳は、悪戯っぽく笑っていた。


「…これで、次の目標が出来たわ」


 ユイはソファに座りなおして、そう呟く。


「目標…」


 ウー・イー・シーの壊滅。

 今まで、そんなことなんて考えたこともなかった。

 だが、ユイの言うとおり、このまま一生逃げ切れる訳がない。

 あの組織がまだ活動している限り、シャンのような悲劇は永遠に繰り返される。

 ――そうならない為にも。
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