In the warm rain【Brack☆Jack3】
「…みんな…ごめん…」


 涙をシャツの袖で拭いて、ミサトは立ち上がる。

 エイジが出ていこうとした時、もう会えないと思った。

 もう、大事なものを失いたくない。

 例え、死んでも…!!


「エイジの意志に、あたしも乗るわ」


 その言葉に、エイジはふっと視線を落とした。

 レンもユイも、異論はないようだった。


「だけど…約束して」


 ミサトは言う。


「絶対にみんな、離れないって」


 エイジは、戻ってきてミサトの目の前に立つ。

 そして、その頭をくしゃりと撫でた。


「了解しました、お姫様」


 優しい声音で、エイジは言った。
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