In the warm rain【Brack☆Jack3】
「…あのバカ…一度言い出したら聞かねェからな」


 その後ろ姿を見送って、レンは軽くため息をつく。


「そんなこと…とっくに分かってるわ」


 ユイはくすっと笑った。

 エイジはタバコを取り出す。


「…ま、早ェトコこの船のエンジンぶっ壊して、ミサトと合流すればいいだけの話じゃねェか」


 そうだな、とレンは頷く。

 そうこうしている間に、敵の数はだんだんと増えてきていた。


「面倒な雑魚どもには目をやるな。とにかくこの船を止めるんだ」


 船のエンジン部分は大概船底にあり、スクリューと連結している筈だ。


「ユイ、エンジンは任せていいか?」

「えぇ。あなた達は?」

「壊し屋に徹するさ」


 頑張って、とウインクすると、ユイも移動を開始する。
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