In the warm rain【Brack☆Jack3】
 だが、今の一突きで、この小柄な男を侮ってはならないということも悟る。


「…おい」


 レンは組み合ったその体勢のまま、振り返らずにエイジに声をかける。


「ここは俺がやる。テメェは先に行け」

「命令してんじゃねェよ」


 そう言いながらも、何故か昔から、お互いに本当に言いたい事が理解出来てしまう。

 ここで手間取ってはならない。

 今は一刻も早く、ミサトの所へ向かった方がいい。

 でなければ。


「さっさとその雑魚片付けて、テメェも来いよ」


 そう言い捨てて、エイジは走り出す。
< 191 / 221 >

この作品をシェア

pagetop