In the warm rain【Brack☆Jack3】
「ダウンタウンじゃ、こんなことは当たり前でしょ。でも確かに驚いたよ、こんな流行ってない店も狙うほど、あいつは飢えてたのかなぁ、ってね」

「犯人はどうした?」


 ミサトは、一瞬答えるのを躊躇う。

 その表情に、レンは眉をしかめた。


「…逃がしちまったのか」

「ちょっと油断しただけだよ。戦闘なんて最近ご無沙汰だったからさ」


 レンと視線を合わせないように、ミサトは窓際の席に座った。


「そいついきなり入ってきてさ、襲ってきたから出来たばかりのカニ玉、皿ごとぶっかけてやったよ。そしたらかっこ悪く顔おさえちゃってさー」


 冗舌に話をするミサトを、レンは黙って見つめている。

 その視線に気付いて、ミサトはあからさまに不機嫌な表情を浮かべて。



「…何よ、腕が鈍ったとでも言いたいワケ? あたしは」

「俺もここに住んでいいか?」


 いきなりのレンの申し出に、ミサトはそのまま固まった。
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