In the warm rain【Brack☆Jack3】
 …それでも“努力”することはできる。


「ミサト…カニ玉うまく作れるようになったかねェ…」


 タバコをくわえたまま、軽く笑う。

 その努力を無駄にしない為にも、どんな小さな不安要素でも、最大限取りのぞいておいたほうがいい。

 …やっと、手に入れた笑顔なのだから。


「………」


 エイジは、ソファに深くもたれかかって目を閉じる。


『意見を聞かせてほしいの』


 ユイは、自分にこう相談してきた。

 ミサトやレンではなく、この自分に。

 その真意を確かめるのは、いささか気が引ける。


「ま、素直じゃねェからな…どいつもこいつも」


 短くなったタバコを灰皿に押しつけ、エイジも自分の寝室に向かった。
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