In the warm rain【Brack☆Jack3】
☆  ☆  ☆



 次の日。

 ユイのところに来たからといって、別段することもないエイジは、ユイのオフィスに足を運んだ。

 午前中は宛てもなくぶらぶらとしていて、オフィスについたのは夕方近くなってからなのだが。


「…よォ」


 最上階のユイのオフィスの扉を開けて、エイジは軽く挨拶をする。

 たった今まで話をしていた電話の受話器を置いて、ユイは複雑な笑顔を見せた。


「タイミングいいのね、エイジ」

「何かあったのか?」

「えぇ、ちょっと気になることが…」


 自分のデスクから立ち上がり、ユイはオフィスに備え付けのキッチンに足を向ける。


「あ、俺がやるよ」


 ユイをソファに促して、エイジはキッチンに行ってコーヒーを二つ入れる。
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