In the warm rain【Brack☆Jack3】
「どうして、あたしに教えてくれないの?」


 今度は顔を上げる。

 その視線は、ユイとエイジに向けられていた。


「そりゃ、ユイだってミサトの為に」

「本当にそうかな?」


 あからさまにトゲのある言い方で、ミサトはエイジを見た。

 今までに見たことのないミサトの表情に、エイジは少しだけ意外そうに見つめ返す。


「…どういう意味だ、ミサト?」


 エイジは聞いた。


「逆の立場で考えて、あたしならユイのような行動は取らない」

「だからどういう行動なんだよ?」

「そこまではっきり言わないとわかんないかな!?」

「あァわかんねェよ、おまえのそういう態度は! 大体なんでもっと素直になれねェんだよ!?」

「エイジだって同じでしょ!? 店を辞める時だってあたしに一言もなかったじゃない!!」

「それは俺にだって考えがあってやったことなんだよ!」

「ユイと二人でコソコソすることなんでしょ!?」

「何がコソコソだよ! ユイはな、俺たちの為に…!」

「いい加減にしろ!!!!」


 見兼ねたレンが、口を挟む。

 黙って見ていたユイは、小さくため息をついて自分のデスクに座った。
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