In the warm rain【Brack☆Jack3】
「おい、どうすんだ?」


 レンが問い掛けた。


「平和で安穏とした生活…所詮無理な話よね。賞金をかけたヤツ、あたしが絶対に突き止めてやる」


 誰も何も答えなかった。

 それは、みんなが漠然と感じていたことだった。


「あたしがあんた達と離れれば、標的はあたしに向くはずだから」


 エイジがまた何か言い返そうとしたが、レンに止められた。


「…とりあえず、私の家に来ませんか? って言っても、そちらからお借りしてるアパートですけど…」


 今まで黙って話を聞いていたレイが言った。


「事情はよく分からないけど、冷静に話ができる状況ではないみたいだし…」

「…そうね」


 半ばため息混じりに、ユイはそう言ってパソコンを閉じる。
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