In the warm rain【Brack☆Jack3】
☆  ☆  ☆



 それから一週間。


「あん…の、アホが」


 ぎりぎりと奥歯を噛み締めながら、レンは呟いた。

 ついでに目の前に出された夕食のハンバーグに、ぐさりとフォークを突き刺して。


「…便りがないのは元気な証拠って言うわよ?」


 レンの向かい側に座って、ユイは苦笑した。


「気持ちはわからないでもないけどね」

「ま、確かにな。でもここまで完璧に姿を消されるとは思わなかったな」


 ユイの隣に座り、エイジは呆れたように言った。

 ミサトが出ていってから、かれこれ一週間が経過した。

 その間、あちこちで本人が関わっているらしいいざこざ の噂は耳に入ってくるものの、肝心の本人の所在はまるでつかめなかった。

 もちろんアパートにも行ってみたの だが、レイと共にまったく姿は見えない。

 エイジの言うとおり、狭いこの街にいるにもかかわらずここまで完璧に姿を消されるとは、誰も思っていなかった。
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