らぶ・みー 
朝から気が済むまで愛し合っていたら、朝食を摂る時間がなくなってしまった。

彼はいつも通りに出勤しなければならない。

大急ぎで仕度をして、とりあえず、一緒に電車に乗り込んだ。



通勤ラッシュの時間帯に電車に乗るなんて、何年ぶりだろう。

ギュウギュウ詰めの車内に圧倒されていると、彼が扉の近くの壁際を陣取り、ゆるく抱きしめてガードしてくれた。

前に一緒に電車に乗った時は、顔がそばに来るだけでドキドキしたのに、今はこうしていると安心する。



彼との関係は、短かい間にずいぶんと深まった。

お互いを思う気持ちと信頼感も、より強くなった。

そして、昨日、確かなものになった。



今の私にこれ以上の幸せはないと思う。

ただ、少しも悩むことなく、自然な流れのように堕ちる覚悟を固めた自分に、少し戸惑いを感じた。
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