君と本気のラブゲーム


嘉乃の家は、地元では結構有名な和菓子屋さん。


嘉乃のお父さんとおじいちゃんが作る、美味しくて見た目もキレイな和菓子は遊びに行くといつもごちそうしてくれるんだけど、温かくて優しい味が本当に大好き。

嘉乃によく似たお母さんは華道を教える人らしくて、(詳しくないからよくわからないんだけど)近くの高校や大学の部活に講師として教えに行ったり、家でもお稽古してるらしい。


今高校1年生の妹の香苗ちゃんは、ぽわぽわした嘉乃とは正反対の、きびきびした美少女。

高校ではバレー部に入ってるらしくて、いつも運動部らしい元気な挨拶をしてくれる。


……で、ここまでは私が会ったことのある桜木家の人たち。


立派な和のお屋敷には私の会ったことのない人があとふたりいる。


ひとりは、嘉乃のおばあちゃん。

いつも和菓子屋さんの店頭にいるらしくて、自宅の玄関からお邪魔する私は今まで直接会ったことが無い。



そしてもうひとりが、嘉乃の弟くん。

さっき、本名が京佑(きょうすけ)くんっていうことを嘉乃から聞いた。

しかも、普通に歳の違う弟かと思ってたら嘉乃の双子の弟らしい。

今日になって、そんな基本的な情報も知らなかったんだということに気付いた。


京佑くんの通っている高校は私の通う高校とは天と地ほどの差がある、県内でいちばんの進学校だった。


嘉乃によると、進学校に通ってはいるが大学には行かずに高校を卒業したら専門学校で家を継ぐための資格やらなんやらの勉強をするらしいが、私からしたらそんなすごい学校の人とはたして話が合うのかということから不安だ。


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