君と本気のラブゲーム
+電話と赤面
家に帰ると玄関に女物のローファがあって、それで嘉乃が来ていることを思い出した。
「ただいまー」
靴を脱ぎながら言うと、バターンッ、と勢いよくリビングのドアが開いた。
玄関からすぐのところがリビングなので、あまりの勢いに、私は驚いて固まってしまった。
「おかえり!ちょっと綺深、こっち来て!!」
「ちょ、なになになに」
リビングから飛び出してきた母親に、腕を引っ張られて連行される。
私をリビングに引っ張り込んで、お母さんはドアを閉めた。
ようやく私の腕を解放してくれる。
「どしたの」
「どしたの、じゃないわよー!諒太郎の部屋に嘉乃ちゃん来てるわよ!?どういうこと!?」
私が訊くと、お母さんは興奮気味にそうまくし立てた。
「なんか、諒兄からゲームの相手しろって電話来たらしいよ?」
「えぇ!!あの子、家族以外に電話なんかするの!?」
私と同じとこに驚いてるお母さん。
「ゲーム、毎日私が相手じゃ飽きたんじゃない?たまには教えたあげたい気持ちになったとか」
「あの子がそんな気持ちになるとは思えないけど…。でも、諒太郎も年頃の男の子だものねぇ。あそこまで可愛い子だと話は別なのかしら」
「ていうかさー、お母さん、諒兄の恋バナとか聞いたことある?諒兄って初恋もまだなんじゃないの?」
鞄を床に置いて、ソファに座って私はそう訊いた。
すると、お母さんも私の向かいに腰かける。