君と本気のラブゲーム
「ま、まぁ、そうなりますね…」
デート、であることに間違いはないので、そう答える。
『じゃあ、今度の日曜、中央駅に13時』
「あ、うん。わかった」
『じゃ、そういうことで』
「うん。じゃあね」
向こうが電話を切った音を聞いてから、私も電話を切った。
「……」
ケータイを両手で持ったまま、ぼすっ、とベッドに座る。
そのまま仰向けに寝っころがって、省エネモードで画面の暗くなったケータイをなんとなしに眺めていた。
ピッ、と、ボタンを押す。
着信履歴のいちばん上に表示された『桜木京佑』の文字が、私をなんだか不思議な気持ちにさせていた。
……電話だと、いつもよりちょっとだけ、低く感じた声。
電話だと、私だけに向けて話してるんだって、嫌でも伝わってくる。
いや、そんなこと当たり前なんだけどね。
……でも、なんか今日は、いつもなら思わないそんなことを感じてしまった。