君と本気のラブゲーム
初めて会ったときは、正直、嫌いと言ってよかった。
嫌いっていうか、なんだろう、腹が立っていた、という感じ。
女の人連れ込んでるし、猫かぶってるし。
でも、今は。
少なくとも、嫌い、ではない。
文化祭だって、最後こそ変態モードだったけど、総合的に見れば何だかんだ言って楽しかった。
「興味ない」なんて口では言っていても、最終的には私が行きたいクラスにも付き合ってくれたし。
……うん、やっぱ、楽しかったんだよね…。
「……はぁ」
私は、ため息を吐いた。
なんだか、認めたくないんだ。
ヤツといる時間を、心地良く感じてしまってる自分がいる、なんて。
「……しっかりしろ!」
大丈夫。
友達としての好き、ならいいんだ。
そうだよ、嘉乃の弟だもん、気が合っても不思議じゃないよね!
…気が合ってる、とは言わないかもだけど。
……いやいや、とにかくっ!
今は、来週の遊園地デートを成功させることだけ考えよう!
私は、ベッドから立ち上がるとケータイをポケットに入れ、部屋を出た。
いつまでもひとりでいたら、余計なことをぐるぐる考えてしまいそうで。