君と本気のラブゲーム

「ねぇ、アヤ。私いいこと考えた!」

「はい?」


……どうしよう。

悪い予感しかしない。

なんだろう、この今にも逃げ出したい焦燥感は。



「アヤ、あのね。……私の弟と、結婚して?」

大きな目をキラキラと輝かせて、嘉乃は私にそう言った。



「……は?」

私の口がそのたった一音を発するまで、なんだかとても長い時間がかかった気がする。


「ダメ?」

嘉乃は可愛らしく首をかしげ、そう聞いてきた。

いや、うん。

ダメ、っていうか……。


「……」

ダメに決まってるでしょうが。

全く意味がわからないですから。

いきなり何を言い出すんだ、この子は!


「嘉乃、あのね。ちょっと確認なんだけど。ていうか聞き違いだと思うんだけどね?……なんか、結婚、とか聞こえた気がしたんだけど」

「え?結婚って言ったよ。合ってる合ってる!」


嘉乃の軽やかな回答に、何も言葉が出ない。

「……」

私は大きなため息を吐いて頭を抱え、ずるずると自分の椅子に座り込んでいた。


「嘉乃さん、意味わかんないです」

「えー?ダメー?」

「ダメだね」


結婚、て。

友達とか恋人とか、なんですっとばしちゃった?


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