君と本気のラブゲーム
「いいからいいから」
「ちょ…っ!」
私の言葉なんか聞いてくれるはずもなく。
京佑くんはずんずん歩いていく。
駅から近い理系キャンパスにサークルの出し物が集中していたため、文系キャンパスは研究室ごとの展示と、高校生向けの模擬授業が中心だった。
そのため、そこまで人が多いわけではなく、文学部の1号棟に入っても、人の波にのまれる、ということは無かった。
理系キャンパスが遊園地で、文系キャンパスが美術館。
雰囲気だけをたとえるなら、そんな感じ。
すれ違う人たちも、パンフレット片手に静かに展示を回っている。
私たちは、展示を見ることはなく屋上までひたすら階段を上った。
カツ、カツ、という私のわずかなヒールが床を叩く音が響く。
繋がれた手は、しっかりと熱を帯びていて。
なぜか、何も話そうとしない京佑くん。
何度か、横顔を盗み見ると。
たまに、ばちりと目が合った。
そのたびに、どちらともなく視線をそらす。
……その、繰り返し。